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浮上油回収装置フロート式とは?メリットやデメリットについて紹介します!

油は小さな滴に過ぎないかもしれませんが、その一滴が全体の効率を左右することもあります。
これは、工業分野やメンテナンス業界で働く技術者や管理者の皆さんにとって非常に大切なことでしょう。
今回は、さまざまな浮上油回収装置の種類や特徴、それぞれのメリットとデメリットを解説していきます。
皆さんの業務に役立つ情報をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

□浮上油処理装置の多様なタイプと基礎知識

産業界において、浮上油を効率的に取り除くことは、製造の効率向上や環境の保護において極めて重要です。
ここでは、いくつかの主要な浮上油処理装置の種類を取り上げ、それぞれの基本的な機能と使用される環境について解説していきます。

1:オイルスキマー

オイルスキマーとは、クーラント液の中で動くベルトやディスクによって、油を取り除く装置のこと。
自動車製造会社や工作機械の製造会社をはじめとする多くの工場で活躍しており、特に浮上するスカムや薄い油膜の除去に特化しています。
設置場所の選定や比重差分離タンクの必要性など、導入前の検討が必須です。

2:ベルト式

ベルト式オイルスキマーは、回転するベルトを使って油を別の容器へ移動させる方式を採用しています。
ベルトの素材には、ステンレス、スチール、特別な樹脂などがあり、それぞれ処理対象の液体や油の特性に適したものが選択されます。
金属への油の付着しやすさを利用して、浮上油の除去を効果的に行います。

3:円盤式

円盤式オイルスキマーは、動く円盤を利用して油を取り除く方式です。
ベルト式に比べてより多くの油を取り除け、耐久性も優れていますが、適切な設置のためには十分なスペースが必要となります。

4:スクリュー式

スクリュー式では、水と油の粘度の違いを利用して油を取り除きます。
独特のスクリュー構造を持ち、比重差分離タンクが不要で、狭い場所への設置が可能です。
ただし、固形物が多く含まれる液体では、装置が損傷するリスクがあります。

5:フロート方式

フロート方式は、浮きを用いて液面上の油を吸い取る簡潔な方式です。
コンパクトな設計で、液面の変動にも対応できる機器が存在します。

6:遠心分離機

遠心分離機は、収集した液体から浮上油を遠心力を使って分離し、再利用可能なクーラント液を分け出します。
研削液や洗浄液に広く用いられ、移動しやすいコンパクトなデザインのモデルもあります。

□浮上油回収装置フロート式とは?

フロート式浮上油回収装置について、さらに見ていきましょう。
この装置は、そのシンプルさと効果の高さから、多くの現場で重宝されています。
その基本的な動作原理、ならびにその利点、そしてそのデメリットについて解説していきます。

*フロート式の動作原理と特長

フロート式の最大の特徴は、水面に設置されたフロートを使って、中央にある吸込口から浮上油を効率よく回収する点です。
この方式では、ダブルフロート構造を採用したモデルもあり、これにより液面の変動にも柔軟に対応できるため、波立つ環境下でも安定した油回収が可能です。

*フロート式の利点と活用シーン

フロート式は、操作のしやすさとメンテナンスの容易さで多くの現場で支持を受けています。
トラブルの発生が少ないため、安定した運用が期待できます。
液面の変動がある場合でも、フロートが水面の変動に追従し、浮上した油を効率良く回収できるのです。
例えば、集中クーラントピットの浮上油や排水処理プラントでのスカム回収など、さまざまな現場で活躍しています。

*フロート式のデメリットとその対策

フロート式は、液面に浮上していない油の回収や、流れが速いタンク内での回収には不向きです。
これらの限界を踏まえ、浮上油の状況に応じて他の方式との併用を検討することが、より効果的な回収を実現する鍵となります。
また、フロート式はシンプルな作りで「簡単に使える」「メンテナンスが容易」「トラブルが少ない」といったメリットがありますが、その反面、「浮上していない油は回収できない」「流れの速いタンク内での浮上油回収には不得意」という点に注意が必要です。

□浮上油回収装置を使用することで得られる効果

浮上油回収装置の利用は、工業分野やメンテナンス業務において非常に重要な効果をもたらします。
ここでは、具体的にどのような効果が得られるのか、解説していきます。

1:悪臭の抑制

工業用の切削油や洗浄液に油が混ざると、悪臭を発生させる嫌気性細菌の増殖を促してしまいます。
これにより、工場内が不快な臭いに包まれることがあります。
浮上油回収装置を使用することで、これらの油分を効率的に除去し、悪臭の原因となる細菌の増殖を抑制できます。

2:機能低下の防止

水溶性クーラントなどに他の油分が混入すると、切削油の機能が低下し、工具の寿命を短くしたり、完成品の品質を低下させたりする可能性があります。
浮上油回収装置を用いることで、これらの不純物を取り除き、機能低下を防ぐことが可能です。

3:油分の付着防止

クーラントや洗浄液に油分が含まれると、加工後の製品が油で汚れ、作業環境の劣化を招くことがあります。
浮上油回収装置を活用することで、これらの油分を効果的に除去し、加工後の製品の品質維持に寄与します。

4:フィルターの目詰まり防止

液中の油分はフィルターを目詰まりさせ、交換コストを増大させる要因になります。
浮上油回収装置により油分を取り除くことで、フィルターの目詰まりを防ぎ、メンテナンスコストの削減につながります。

□まとめ

今回は、浮上油回収装置の種類とその基本的な概要、特にフロート式の特徴、そして浮上油回収装置を使用することで得られるさまざまな効果についてご紹介しました。
これらの情報が皆さんの業務にお役立ていただければ幸いです。
快適な浮上油回収装置を使用して、より効率的な作業環境を目指しましょう。

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