TOP > SVアルファブログ > 油水分離はどんな仕組み?必要性とメリットとともに解説!

SVアルファブログ

油水分離はどんな仕組み?必要性とメリットとともに解説!

「水に油」という言葉の意味は、水と油が混ざりにくい現象が由来です。
しかし、実際は水に油が均一に混ざる現象も存在し、油を取り除きにくいケースもあります。
その液体をそのまま排水してしまうと、環境へ悪影響を与えることは容易に想像できますね。
そこで今回は、油水分離の必要性・仕組みとともに、油水分離機を導入するメリットを解説します。

□油水分離の必要性

油水分離は、工場だけではなく幅広い分野で重要とされています。

油水分離を必要とする1つ目の理由は、環境へ悪影響を及ぼさないためです。
水面に油を1滴たらすと短時間で油膜が広がるように、油の水への影響力は凄まじく、油1リットルで地下水100万リットルを汚染する可能性があります。

水への油の影響は、水中に生息している動植物への酸素供給を妨げる、毛皮を持つ動物の断熱能力を低下させる、鳥の羽毛の撥水能力を低下させるなど、自然界にあらゆる悪影響を及ぼします。
このような環境への悪影響を防ぐために、油水分離は必要とされています。

また、この理由に付随するもう1つの理由が法律による規制です。
近年、環境問題の解決への取り組みが活発になるにつれて、世界中で油を含む水の排出を禁止する法律が整備されてきました。
もし規制を守らなかった場合、高額の罰金を支払わなくてはいけないこともあります。

事実、油と水は混ざりにくく水面に油が浮くので、排出しても油の大部分はすくえます。
しかしそれでも規制するのは、コンプレッサーの凝縮水の油や残留物は簡単にすくうことはできないためであり、やはり工場では法律規制を遵守するような油水分離機を導入する必要があるのです。

□油水分離の仕組み

上記で解説した通り、コンプレッサーの凝縮水の油水分離は難易度が高い傾向にあります。
では一体どのような仕組みで油水分離しているのでしょうか。
水に含まれる油を除去する場合、油水分離方法は4つあります。

1.透過分離法

多孔性濾過糸の集合体、または濾過膜に圧力をかけながら油を含む液体を通して油を分離させる方法です。
これにより油に加えて固形物まで回収でき、正常な水のみを取り出せます。

2.比重分離法

油を含む液体と油のみの比重差を利用して除去する方法です。
比重差によって貯留・浮上した油を除去できます。
ただし、比重差が小さいと分離に時間がかかるというデメリットもあります。

3.科学的分離

油水分離剤で油を脱脂・除去する方法です。
油水分離剤は電解イオン水をはじめとした水溶性のものもあり、環境への負担は少ないまま油水分離を実施できます。
水に含まれる油分が多い場合は、浮上油を先に除去しておきましょう。

4.遠心分離式

高速回転をすることで遠心力を発生させ、比重差によって油と水を分離させる方法です。
水の中で油が均一に分散しているエマルジョンの状態であっても、油を除去できるというメリットがあります。
また、水溶性切削油やクーラント液、水性洗剤に含まれる浮上油やスラッジも同時に除去できます。

この4つの方法はそれぞれに特性があるため、油水分離後の水の純度や油水分離の処理時間によって使い分けると良いでしょう。

□油水分離機は導入すべき?

工場ではさまざまな工程で油が混ざります。
環境や法律を守るためにも油水分離機を導入する必要がありますが、それ以外にも油水分離機を導入することで工場が得られるデメリットが存在します。

*洗浄不良を起こさない

機械や製品についた油を洗い流すために洗浄液を使用しますが、その洗浄液は繰り返し使用するため、洗い流した油がどんどん蓄積されます。
蓄積された油は洗浄液の中で固まってしまうので、洗浄液の洗浄効果の低下につながりかねません。

そこで、油水分離機で洗浄液から油を分離させることで洗浄液をきれいな状態に保ちます。
きれいな状態に保たれた洗浄液は、洗浄不良を起こすことなく洗浄効果を発揮できるのです。

*機械トラブルを防ぐ

水から油を分離させる方法を解説してきましたが、油から水を分離させる場合もあります。
例えば、機械の摩擦を抑制するために機械の金属同士が触れる部分に潤滑油を使用した時に、その油に水が入ってしまう場合です。
潤滑油に水が混ざることで潤滑性が低くなり、機械のトラブルにつながってしまいます。

そこで、油水分離によって潤滑油から水を分離させ、潤滑性を維持し機械のトラブルを防ぎます。
稼働率も高い状態を維持できるので、生産性向上も期待できます。

*ランニングコストを削減できる

洗浄液の油水分離、潤滑油の油水分離はどちらもランニングコストの削減につながります。
洗浄液から油を分離させることで洗浄液を、潤滑油から水を分離させることで機械を長く使用できるからです。

以上のように、油水分離は環境へ優しい取り組みであるだけでなく、工場経営にもメリットがあります。

当社の浮上油回収装置である「SV-アルファ」シリーズの中でも、特に「SV-アルファMM」は2槽式浮上油分離が可能です。
確実かつ効率的に浮上油を回収できるので、ぜひご検討ください。

SV-アルファをご検討中の方はこちら!
https://www.izumisangyo.co.jp/sv-alpha/