精密加工の現場において、朝一番の加工と夕方の加工で寸法が微妙に変化する「熱変位」や「寸法変化」は永遠の課題です。多くの現場では機械の暖機運転や空調管理に注力しますが、意外と見落とされているのが「クーラント液の物理的変化」です。
なぜ、スラッジ(切粉)が液中に残っているだけで、ミクロン単位の精度が狂うのか。そのメカニズムと、解決策としての超微細スラッジ回収について解説します。
通常、水溶性クーラントの比重は水(1.0)に近い数値で設計されています。しかし、加工を繰り返すうちに液中に滞留する「微細スラッジ」や「混入油」が増えると、液全体の比重や粘度が上昇します。
液中に微細な金属粉が浮遊している状態は、いわば「金属混じりの泥水」で加工しているようなものです。純粋な液体に比べて比熱が変化し、熱を奪う能力(冷却効率)が著しく低下します。 冷却が不十分になると、ワークや刃具の温度が上昇し、金属の熱膨張による寸法公差からの逸脱を招きます。
微細スラッジによって粘度が増したクーラントは、加工点(チップの先端)への浸透性が悪くなります。特に深穴加工や高送り加工において、本来届くべき場所に液が届かない「空焚き」状態が瞬間的に発生し、刃具の欠損や面粗度の悪化を引き起こします。
回収しきれない微細スラッジ(特に10μm以下の粒子)は、ポンプを通過して再び加工部へと送り出されます。これが、加工精度に致命的な悪影響を及ぼします。
多くの工作機械には標準でチップコンベアやマグネットセパレーターが搭載されています。しかし、これらは「目に見えるサイズの切粉」をターゲットにしています。
ここで重要になるのが、「液の流れを止めず、かつ消耗品に頼らずに微細粉を分離する」技術です。
和泉産業の「SV-アルファ」シリーズは、単なる掃除用具ではありません。加工精度を一定に保つための次世代の「工作機械用クーラントクリーナー」です。

『SV-アルファMAG』は、「すり抜け」「目詰まり」解消のため、スラッジバキューマ―に強力なマグネットセパレーターを組み込んだ、ありそうで他にない最先端のモデルです。『SV-アルファMAG』では、通常のスラッジ回収のみならず、超微細スラッジ(1~3μm)・鋳物ヘドロ(※磁性体)の回収を行うことが可能です。大きい切粉・スラッジをメッシュで回収し、通り抜けた微細スラッジのみをマグネットで強力吸着します。これにより、効率的な回収・脱水を実現します。機能を鑑みると価格も非常にリーズナブルです。
1μm以下の微細なスラッジを回収するマグセパで、 機械の故障を防ぎ、工具や加工精度を向上させます。
設置型マグセパと違い、ノズルで吸い上げる為、底に沈んだスラッジも楽々回収できます。溜まりやすい所、ポンプ前などにも非常に有効です。
吸い上げたヘドロは脱水して自動排出します。集めたスラッジを処理する手間がありません。

『SV-アルファPF』は、SV-アルファの中でも精密濾過を得意とするモデルです。
『SV-アルファPF』は、最初の2つのストレーナで粗いスラッジを徹底回収してから最後の糸巻きフィルターで濾過する3段階フィルタリング方式のため、微細スラッジを精密濾過、またフィルターの交換頻度を大きく削減することが可能です。
SV-アルファPFには以下のような特徴がございます。
ワークを傷つけないよう、微細スラッジを徹底的に回収したい方にこちらのモデルは向いております。クーラント液が濁ったままで、透明にならない。コレットチャックに微細スラッジが詰まってしまい、機械が頻繁に停止してしまう。というようなお悩みがございましたら、こちらのモデルが最適です。
また、遠心分離機を使用しているが、それでも微細スラッジが浮遊したまま残ってしまう。本格的な濾過装置は高額で場所を取るため、まずはポータブルな簡易タイプの濾過装置で対応したいなどをお考えでしたら、是非SV-アルファPFをご検討ください!
「クーラントが汚れたから掃除する」という発想を捨て、「常にクリーンな比重を維持して加工精度を守る」という発想へ。 SV-アルファの導入は、単なるメンテナンスの省力化にとどまらず、貴社の加工技術の信頼性を底上げします。微細スラッジによる「目に見えない精度の揺らぎ」に心当たりがあるのなら、クーラントの管理方法を見直す時期かもしれません。
SV-アルファに関するお問い合わせは和泉産業株式会社までお気軽にどうぞ