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切削油と浮上油は何が違う?特徴をご紹介します!

工場で働いていると、切削油や浮上油を使うことが多くあると思います。
これらは機械の動作や性能を高いレベルで行うために重要なものなので、それぞれの特徴や違いを知っておきたいですよね。
そこで今回は、切削油と浮上油のそれぞれの特徴についてご紹介します。

□そもそも浮上油とは何か?

浮上油は、工作機械の使用中に発生する油の総称として広く知られています。
この油は、機械の動作や性能を保つための重要な要素であり、その存在が無視できないものとなっています。

1.定義と概要

浮上油は、潤滑油、作動油、防錆油、不水溶性切削油、グリースなどの多岐にわたる油を指します。
これらの油は、工作機械の動作中に生じ、特定の部分に集まる傾向があります。
また、これらは、機械の動作を助け、摩擦を減少させ、部品の寿命を延ばす役割を果たしています。

2.発生過程

工作機械を使用すると、油はクーラントタンクに流れ、液面に浮かびます。
この油は、機械の動作をスムーズにするためのものであり、その性質上、液面に浮く特性を持っています。
この浮上油は、機械の動作中に発生する熱を冷却する役割も果たしており、機械のオーバーヒートを防ぐためには欠かせない存在です。

3.スラッジとの関係

加工中に生じる微細なスラッジに油が付着することもあります。
このスラッジと油の組み合わせは、浮上油として特徴的なものとして認識されています。
スラッジは、加工中に発生する微細な金属片や不純物であり、これが油と結合することで、油の性質や性能に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、スラッジの発生や油の浮上を適切に管理することは、機械の長寿命化や効率的な動作を保つために非常に重要です。

□浮上油と切削油の種類と特徴

*低粘度/高粘度

低粘度油はサラサラとして流れやすく、高粘度油はドロドロとして流れにくいです。
粘度はISO VGで示され、この数値が大きいほど高粘度であることを示します。
特に、チェンソー用の機械オイルは高粘度の代表例として知られています。
高粘度の油は、重機や大型機械での使用が一般的であり、部品間の摩擦を最小限に抑える役割を果たします。

*植物性/動物性

食品機械用の潤滑油では、健康への影響を考慮して、植物性や動物性の油が使用されることが増えています。
特に、パーム油の有効利用や環境保全の観点から、石油系潤滑油からの移行が進められています。
植物性の油は再生可能な資源から得られるため、環境への負荷が低いとされています。

*鉱物油

鉱物油は石油から得られる油で、潤滑油のベースオイルとして広く使用されています。
安価で手に入れやすい一方、酸化しやすい性質を持っているため、定期的な交換が必要です。
また、鉱物油は高温下でも安定した性能を発揮するため、多くの産業で利用されています。

これらに加えて、切削油の詳細な特徴とその用途もここで紹介しておきましょう。

1.水溶性切削油

この油は、金属加工時の熱を効果的に冷却するために使用され、工作物の品質向上に寄与します。
水で希釈して使用する油で、冷却性が高く、引火の危険が低いのが特徴です。

しかし、劣化しやすいため、管理には注意が必要です。

2.不水溶性切削油

この油は、高い潤滑性能を持つため、精密な加工が求められる場面での使用が一般的です。
希釈せずにそのまま使用する油で、潤滑性や防錆性に優れています。

しかし、引火性があるため、特定の環境下での使用には向いていません。

□浮上油を放置するとどうなる?

浮上油は、工業界での生産や日常生活においても無視できない存在です。
浮上油を放置すると多くのトラブルの原因となり、これらのトラブルを未然に防ぐためには、浮上油の管理や処理が不可欠です。
以下では、浮上油の放置がもたらす様々な影響と、それに関連する詳細な情報について深く掘り下げて解説します。

1.悪臭の発生とその背後にあるメカニズム

浮上油が放置されると、嫌気性のバクテリアが増え、硫化ガスが発生します。
この硫化ガスは、特有の悪臭を放ち、作業環境の悪化を引き起こします。
嫌気性のバクテリアは、酸素のない環境で繁殖する微生物であり、浮上油の中で活発に活動します。
これにより、周囲の空気が汚染され、作業者の健康を害する可能性も考えられます。

2.ノズルの詰まりとその深い影響

微細なスラッジが原因でノズルが詰まることがあります。
ノズルが詰まると、機械の動作が不安定になり、生産性の低下や製品の品質低下を引き起こす可能性があります。
ノズルの詰まりは、機械の寿命を短くするだけでなく、維持管理のコストも増加させるリスクがあります。

3.オイルミストの発生とその深刻な危険性

オイルミストは、微細な油の粒子が空気中に浮遊する現象です。
これが発生すると、健康被害や生産性の低下を引き起こす可能性があります。
特に、呼吸器系への影響が懸念されます。
オイルミストは、長期的に吸入することで肺の機能低下やアレルギー反応を引き起こす可能性があります。

□まとめ

工場やメーカーで働く方々にとって、切削油と浮上油の違いや関連性を深く理解することは非常に重要です。
それぞれの油の特性や種類、用途を知り、適切な管理や使用方法を採用することで、効率的な生産活動をサポートできます。
また、浮上油の放置がもたらす様々なトラブルを避けるためには、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。
正しい知識でより安全でより効率的な生産活動を行いましょう。