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フロート付きポンプの仕組みってどうなってるの?スラッジの回収にも使われています!

水を汲み上げるためのポンプには様々な種類がありますが、その中でもフロート付きポンプは特殊な構造と機能を持っています。
フロートスイッチを備えることで、水位の変化に応じて自動的にポンプの運転を制御できるのが大きな特徴です。
こうした利点から、フロートポンプは排水処理やスラッジの回収など、幅広い用途で活躍しています。

しかし、その仕組みや動作原理について深く理解している人は意外と少ないのが実情ではないでしょうか。

そこで本記事では、フロートポンプの基本的な構造や各部品の役割、そしてスラッジ回収への応用まで、わかりやすく解説していきます。
フロートポンプについて学ぶことで、その優れた性能と利便性を実感していただければ幸いです。

□フロート付きポンプの仕組みとは?

フロートポンプの心臓部とも言えるのが、モーターです。
電気エネルギーを回転運動に変換するモーターの力で、ポンプ内部の羽根車が高速で回転します。
この羽根車の回転により、水を吸い上げる強力な吸引力が生まれるのです。

1:主軸とメカニカルシール

モーターの回転軸と直結しているのが主軸です。
主軸は羽根車に動力を伝達する重要な役割を担っています。
また、主軸とケーシングの間には、メカニカルシールが設けられています。
このシールが水漏れを防ぐ重要なパーツなのです。

2:羽根車の役割

先述の通り、羽根車は高速回転することで水を汲み上げます。
羽根車の形状は、水の流れを効率的に制御するように設計されています。
複数の羽根が放射状に配置され、回転に伴って水を中心から外側へと導いていきます。

3:ケーシングの機能

羽根車を収納し、ポンプ内部の水の流れを整えるのがケーシングです。
吸込口と吐出口を備えたケーシングの内部で、羽根車が効率的に水を汲み上げることを可能にします。
また、ケーシングは、高い水圧に耐えられる頑丈な構造になっています。

以上のように、モーター、主軸、羽根車、メカニカルシール、ケーシングといった主要部品が緊密に連携することで、フロートポンプは安定した排水性能を発揮するのです。

□フロートスイッチの役割と重要性

ここまで、フロートポンプの基本的な構造について見てきました。
しかし、フロートポンプの最大の特徴は、水位の変化を感知して自動運転を実現する点にあります。
その鍵を握るのが、フロートスイッチの存在です。

*自動運転を可能にする仕組み

フロートスイッチは、ポンプの吸込口付近に設置されています。
水位が上昇してフロートが浮上すると、スイッチが入ってポンプが始動します。
一方、水位が下がってフロートが下降すると、スイッチが切れてポンプが停止するのです。

こうした自動制御により、無駄なエネルギー消費を抑えつつ、確実な排水を実現できます。

*フロートスイッチの種類

フロートスイッチには、大きく分けて2つのタイプがあります。
1つは、マイクロスイッチを内蔵したフロートを使うタイプ。
もう1つは、磁石を内蔵したフロートとリードスイッチを組み合わせるタイプです。
用途や環境に応じて、適切なフロートスイッチを選定することが大切になります。

*メンテナンスの重要性

フロートスイッチは、ポンプの自動運転に欠かせない重要部品である一方、トラブルが起こりやすい箇所でもあります。
フロートの動きを妨げるゴミの付着や、経年劣化によるスイッチの故障などが代表的な問題です。
定期的な点検とメンテナンスを欠かさず、フロートスイッチの健全性を保つ必要があります。

フロートスイッチは、一見すると地味な存在かもしれません。
しかし、その働きはフロートポンプの性能を大きく左右する重要なものなのです。
信頼性の高いフロートポンプを維持するには、適切な制御機能の選定とメンテナンスが欠かせません。

□スラッジ回収技術とフロートポンプの応用

フロートポンプの優れた性能は、産業界の様々な場面で活かされています。
特に注目されているのが、スラッジ回収分野におけるフロートポンプの応用です。
ここでは、具体的な製品の特徴を交えながら、スラッジ回収とフロートポンプの関係を探っていきましょう。

1:スラッジと浮上油の効率的な回収

特に当社の「SV-アルファ」シリーズは、スラッジ回収に特化したフロートポンプとして知られています。
このポンプは、タンク底部に堆積したスラッジを効率的に吸い上げる機能を備えています。
同時に、水面に浮いた油もフロートに誘導されてポンプ内に取り込まれる仕組みになっています。
これにより、スラッジと浮上油を同時に回収することが可能なのです。

2:コスト削減と環境保全への貢献

従来、スラッジの回収には人手によるかき出しや特殊な機材が必要でした。
それに対し、フロートポンプを使えば、大幅な労力の削減とコストカットが実現します。
また、回収したスラッジや油を再利用することで、廃棄物の削減にもつながります。
フロートポンプは、経済性と環境保全を両立する優れたソリューションと言えるでしょう。

3:幅広い業界で活躍

スラッジ回収用のフロートポンプは、各種の工場や処理施設で重宝されています。
例えば、食品工場の排水処理、機械加工工場の切削油回収、下水処理場の沈殿物除去など、適用範囲は実に多岐にわたります。
水処理の現場で求められる高度な要求に応え続ける、それがスラッジ回収用フロートポンプの使命なのです。

フロートポンプは、スラッジ問題という産業界の大きな課題に立ち向かう強力な味方です。

高性能なポンプ機構とフロートスイッチの組み合わせにより、これまで困難とされたスラッジ・油の分離回収を効率化することに成功しました。
排水処理の省力化とコスト低減、そして循環型社会の実現。
フロートポンプの活躍なくして、これらの目標を達成することは難しいでしょう。

□まとめ

本記事では、フロートポンプの基本構造から自動制御の仕組み、そしてスラッジ回収への応用まで、幅広い話題を取り上げてきました。
改めてポイントを振り返ってみましょう。

フロートポンプの心臓部は、モーターと羽根車です。
そこに、フロートスイッチによる自動運転機能が加わることで、フロートポンプは高い利便性を獲得しています。
加えて、フロートポンプはスラッジ回収の分野で大きな力を発揮します。
環境保全とコスト削減に寄与するフロートポンプの活躍は、今後ますます注目度が高まるでしょう。

フロートポンプは、シンプルな構造の中に優れた機能性を内包する、まさに職人技の結晶とも言えます。
その高い能力を理解し、適切に活用することが、私たち利用者に求められる責務ではないでしょうか。
フロートポンプとともに、より快適な水環境の創造を目指したいものです。

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