スラッジとスラッジ回収機の必要性や選び方をご紹介！

削る・磨くといった重要な加工を行う機械から生じる切粉、スラッジ。
スラッジの蓄積は、工具の寿命を縮めたり、悪臭を発生させたり、さらには機械の故障につながる可能性があります。
この記事では、スラッジについての知識と正しく処理する方法を知りたい方に向けて、スラッジとその回収機についてご紹介します。

◻︎スラッジの正体とその影響

スラッジは、削る・磨くといった重要な加工を行う機械から生じる切粉のことです。
一見、微細な切粉であり、その存在はしばしば見過ごされてしまいます。

しかし、この微細な切粉が蓄積することで、多くの問題が引き起こされます。
スラッジには「液面に浮上するスラッジ」「液中を漂うスラッジ」「沈殿するスラッジ」といった種類があり、それぞれが異なる問題を生じさせてしまうのです。

・液面に浮上するスラッジ

液面に浮上するスラッジは、タンクの表面を覆って機械の冷却能力を低下させてしまうことも。
油分と結合して沈みにくくなっているため、タンクの表面に覆いかぶさってしまうのです。

・液中を漂うスラッジ

液中を漂うスラッジは、タンク内の流れが緩やかになると、油分の有無によって浮上または沈殿を始めます。
タンク内の流れをはやめることで、沈殿を防ぐといった対策が必要です。

・沈殿するスラッジ

スラッジは比重が重い特徴があり、タンク内に流れがないと底に沈殿します。
沈殿するスラッジは対策を怠るとタンクの奥底に溜まり、外からは見えない場所で問題を引き起こす可能性も高いです。
そのため、定期的な清掃を行い、沈殿するスラッジに対処しなくてはなりません。

上記の例にとどまらず、スラッジの蓄積は工具の能力を低下させて寿命を縮めるだけでなく、悪臭を発生させることも。
スラッジの存在そのものは、一見小さく思えるかもしれませんが、その積み重ねが大きな問題を生むことがあるので注意が必要です。

スラッジが起こし得る問題を踏まえると、スラッジ回収機が産業界で注目される理由は明白ですよね。
スラッジ回収機は、スラッジの蓄積を防ぐための重要な役割を果たしています。
金属加工工場から排水処理施設まで、多岐にわたる場で活躍する存在です。

スラッジ回収機がなければ、スラッジの蓄積による多くの問題が引き起こされるでしょう。
この装置があることで、多くの企業は生産性の向上と環境対策を同時に達成しています。

スラッジ回収機は、基本的に掃除機と同じ原理で動いています。

ただし、回収したいスラッジがどのような物質で構成されているかによって、適した回収方法は異なるもの。
そのため、スラッジの構成物質に応じた複数の製品が販売されています。

例えば、スラッジの構成物質が金属くずである場合には、マグネットでスラッジを引き寄せる仕組みの製品との相性が良いでしょう。
油成分の多い構成であれば、吸い込むような仕組みを活用して清掃します。

では、実際にスラッジ回収機を購入する際には、どのようなポイントをみて選べば良いのでしょうか。
参考にするべきポイントは、大きく分けて3つあります。

スラッジ回収機の選び方は、回収場所や用途によって異なります。
狭いスペースでの回収と広いスペースでの回収では、適したサイズも形も異なるからです。

クーラントタンクや狭いスペースでスラッジ回収を行う場合には、掃除機のように吸い込むタイプや循環ろ過できるタイプをおすすめします。
水槽内の循環液が少ないため、吸い込みやろ過タイプでの対応が適切だからです。

一方で、排水ピットのような広いスペースでは、水中ポンプとフロートを組み合わせた「浮上物回収ポンプスキマー」をおすすめします。
水中ポンプを使用して流量を増やし、ピット内の流体をしっかりと循環させられるからです。

スラッジの大きさや量が特定できる場合には、対象物に合わせたスラッジ回収機を選びましょう。
できればデモ機を使って、回収できるかどうか確認すると安心です。
特定できない場合には、ポンプの異物通過径を目安に機械を選ぶようにしましょう。

スラッジ回収機を、どのような形式で使いたいのか、明確にしておくことも重要です。
常に固定して設置する場合には「常時設置型」のもの、使う時にだけ設置したい場合には「移動型」のものをおすすめします。
どちらを選ぶかによって、必要なメンテナンススペースが異なります。

スラッジ回収機はメンテナンスの欠かせない機器ですので、使用する形式と必要になるメンテナンススペースを明確にしてリスクを抑えましょう。

今回は、スラッジとスラッジ回収機についてご紹介しました。
スラッジの特徴や特徴に合ったスラッジ回収機の要点をしっかりと押さえることで、より効率的な生産活動に繋がります。
この記事を、適切なスラッジ回収機を選ぶための参考にしていただければ幸いです。

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