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スクリュー式オイルスキマーの特徴とは?他の種類と併せて解説!

オイルスキマーとは、英語で「Oil Skimmer」とつづり、オイル(油)をすくいとる装置のことです。
発電所や製鉄所など、幅広く用いられている装置ですが、耳馴染みがない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、オイルスキマーの種類やそれぞれの特徴、効果について紹介します。

□スクリュー式オイルスキマーの特徴

オイルスキマーの中にもさまざまな種類があり、油を回収する仕組みが異なります。
ここでは、スクリュー式オイルスキマーの特徴やメリットについて解説します。

・仕組み

スクリューが特殊ならせん構造をしており、回転することで持ち上げる力が働いて油を回収します。
この時、粘度の低いクーラント(冷却水)が分離・落下して貯留槽に戻っていくので、粘度の高い油だけを効率的に回収できるのが特徴です。

・メリット

スクリュー式は、ベルトの交換やスキージの調整分離タンクの清掃がいらないので、ランニングコストを削減できる点がメリットです。
また、油を巻き取るようにして回収するので、油を付着させないと回収できないベルト式と比較して、浮上油の回収能力が優れているのも特徴といえます。

油を持ち上げる工程の中で粘度の低いクーラントが落下するので、分離タンクを設置する必要がなく、設置スペースを効率化できます。
加えて、クーラントの持ち出しが少ないため廃液コストの削減が期待できます。

・デメリット

先述の通り、スクリュー式は粘土の高い油を回収することには適していますが、粘度の低い油の回収には向いていません。
また、固形の異物が多く混入している液体に導入する場合、油のほかに切削粉やスラッジなどを巻き取ってしまう可能性が高いので、装置が故障してしまう危険性があります。

□その他のオイルスキマーの種類を解説

オイルスキマーには、スクリュー式以外にもいくつかの種類があります。
それぞれの特徴や性能を確認し、ご自身にあった装置を選んでくださいね。

・ベルト式

最も一般的なタイプのオイルスキマーで、回転しているベルトに油を付着させ、油をかき取るようにして分離・回収するという仕組みです。
安価で購入できる点がメリットですが、長期間稼働させるうちにベルトに汚れが付着して油がうまくつかなくなったり、ベルトが切れてしまったりする可能性があります。

・円盤式

タンク内で円盤を回転させ、油を付着させて分離・回収する仕組みです。
ベルト式よりは耐久性に優れていますが、衝撃によって割れてしまう可能性がある点には注意しましょう。
また、設置面積はベルト式よりも大きくなってしまうので、その分のスペース確保も必要です。

・フロート式

浮き(フロート)を回収装置の液面に浮かせることで、面に浮いて溜まっている油を回収する仕組みです。
浮上してきている油に対して優れた回収能力を発揮します。
しかし、浮上していない油や稼働中で流れが速いタンクからはうまく回収できないといったデメリットもあります。

□オイルスキマーの効果

オイルスキマーで浮上油の回収をすることで、さまざまな効果を発揮します。
期待できる効果をご紹介するので、一緒に見ていきましょう。

*切削液や洗浄液の腐敗の防止

切削液や洗浄液に浮上油が増えてしまうと、液面が油で覆われて空気が遮断され、嫌気性細菌が増殖して液が腐敗してしまう危険性があります。

腐敗した液は、悪臭を放ったり、一部がオイルミストになって空気中に浮遊して皮膚かぶれや目の疾患、循環器系の炎症を引き起こしたりする可能性があるので注意が必要です。
オイルスキマーを使うことで、これらの問題を防止できる効果があります。

*切削液の機能低下の防止

オイルスキマーを利用することで、切削液の潤滑性能や冷却性能、切り屑の排出性能の低下を防げます。
切削液の中に水溶性切削油以外の油分が混ざってしまうと、切削液の機能が低下してしまい、切削性能が悪化したり、工具の寿命が縮んでしまったりする恐れがあります。

オイルスキマーを使うことで、切削液の寿命を延ばすと同時に、工具寿命を延ばしたり切削性能を維持したりする効果が期待できます。

*加工後、洗浄後、脱脂後の油分による加工品の汚染防止

オイルスキマーは、製品生産の工程で使われる液体の浄化に用いられ、その液体に接する加工品の汚染を防止できます。
特に、ごみや汚れを除去する洗浄液や油分を除去する脱脂液に油分が含まれていると洗浄・脱脂が意味のない工程になってしまうので、オイルスキマーが大切なのです。

*機械の汚染防止

オイルスキマーを切削液に適用することで、加工機だけでなく液の噴射や循環の役割を担っているクーラント装置の油分による汚れを防いでくれます。
特に、クーラント装置に備わっているノズルやフィルターの目詰まりを抑えてくれるので、それらの交換に伴うコストを削減できます。

□まとめ

オイルスキマーは、スクリュー式をはじめ様々な種類があります。
それぞれ特徴や油分の回収方法が異なるので、上記を参考にしていただければ幸いです。
また、オイルスキマーで浮上油を回収することで、ご紹介した4つの効果を得られます。
どれも工場での生産に影響を与えるものなので、導入を検討する際に確認してみてくださいね。

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