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オイルスキマーの種類や用途について解説!

オイルスキマーとは、オイル(油)をスキムする(吸い取る)ものという意味で、浮上油を回収する機械を指します。
オイルスキマーは工場工事や機械メンテナンスの際によく使用される機械なので、工場や倉庫で働いている方は聞いたことがある言葉かも知れません。
今回は、このオイルスキマーについて種類や、使用用途、原理と構造を紹介していきます。

□オイルスキマーの種類

1.ベルト式

ベルト式は、最も幅広く用いられている方式のオイルスキマーです。

回転するベルトに油分を付着させて、そのベルトに付着した油分を取り除くことで油分を回収する方式です。
ベルトの下部分を浄化させたい液体に浸すことで、ベルトの上部で油分が回収できるという仕組みになっています。

2.円盤式

円盤式のオイルスキマーは、浄化したい液体に回転する円盤に下部を浸し、液体の外に設置されたワイパーブレードと呼ばれるもので円盤に付着した油分を回収します。

ベルト方式に比べて浮上油の回収量、耐久性にも優れています。

しかし、設置するにはベルト方式よりも広いスペースが必要なため、狭い場所での使用はおすすめできません。

3.スクリュー式

スクリュー式は螺旋(らせん)構造のスクリューを使用します。
スクリューの先端を洗浄したい液体に浸して、回転させることで少しずつ浮上油を持ち上げて回収するのです。

スクリューが回転して油を救うように回収するため、油が付着しないと回収できないベルト式よりも油の回収量は多いです。

しかし、固形物を一緒に巻き取ってしまうと故障の原因にもなり得るので、固形物が多い液体に使用する場合は注意が必要です。

4.フロート式

フロート式は回収装置を浄化したい液体に浮かせて、ノズルで浮上油を吸引して回収します。
ベルト式や円盤式、スクリュー式などの受動的に回収する方式とは異なり、能動的に浮上油を回収するため、回収量や回収スピードが共に高いという特徴があります。

しかし、油分以外の水分も大量に回収してしまうため、水分や油分を貯めておく場所を大きくする必要があります。

□オイルスキマーの使用用途

1.工業用の機械や装置の洗浄

工業用の機械や装置には、運転中に潤滑油や冷却油が使用される場合があります。
このような油分を取り除いて、メンテナンスをしやすくするのがオイルスキマーの役割なのです。

2.油田やガス田の掘削作業

油田やガス田の掘削作業では、油やガスが地下から湧き出してしまい、水と混ざり合って地表に出てきてしまいます。
その液体を放置しておくと環境汚染を放置してしまうことになります。
そのため、オイルスキマーを使用して油を除去するのです。

3.海洋汚染の対策

事故による石油流出や海上で起こる交通事故によって油が海に流れ出す場合があります。
その際に活躍するのが、オイルスキマーです。
海洋汚染から海を守ってくれる役割を果たします。

□オイルスキマーの原理と構造

オイルスキマーにはいくつかの種類が存在すると紹介しましたが、その中でも幅広く使用されている、ベルト方式の原理と構造について紹介します。
それぞれの部位別に役割を見ていきましょう。

1.ベルト

ベルトは、継ぎ目のない帯状の部品で、油を効果的に除去するために回転させます。
ベルトには、金属、または樹脂が使用されており、金属の場合はステンレスやスチールなどの油が付着しやすい素材が使用されています。
また、樹脂の場合はポリウレタンや表面に油を付着させやすいような構造を持つナイロンなどが使用されます。

2.プーリー

プーリーはベルトを巻きつける部品です。
ベルトを巻きつけるために円盤状になっており、モーターによって回転させられます。

プーリーは上下で2つ使用することで、ベルトのテンション(張り)を維持させて正常に機能するように保つ働きがあります。
この際、ベルトが金属の場合、プーリーに磁石を取り付けて、ベルトが樹脂製の場合はプーリー間にスレームを挟むことで、その役割を果たすのです。

3.スクレーパー

スクレーパーはベルトに付着した油分をベルトから取り除くものです。
その形は、油分を取り除きやすいようにヘラ状になっています。

4.分離槽

ベルトに付着した油分をスクレーパーが取り除くという構造ですが、その取り除いた油分を貯める場所も必要です。
その役割を果たすのが、分離槽と呼ばれるものです。

ここでは取り除いた油分だけではなく、一緒に回収した水分や切削粉なども貯めておく場所でもあります。

これらの部品が連続的に動くことで、オイルスキマーとして浮上油を回収することが可能なのです。

□まとめ

オイルスキマーはベルトやプーリーなどの部品から構成されている、浮上油を回収する機械です。
そのオイルスキマーには主にベルト式、円盤式、スクリュー式、フロート式があるのでそれぞれの方式について知っておき、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

また、オイルスキマーは浮上油を取り除くものであるので、底に沈んでしまった油は取り除けません。
あらかじめ知っておきましょう。

当社では工場の工事やメンテナンスサービスを提供しています。
何かお困りごとがあれば気軽に当社にお問い合わせください。

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